沼の底
私は地を転がった。
消えてしまおうとしていた自分に
突然震えた体と心臓の音
ドクン、ドクン。
ここには何も無い
耳を無くすための手段も
心臓を止めるための刃物も
沼だと思っていた場所は
箱だった。
みんなが見ている
何も発さずに
ただひたすらに私を見ている
私はその目を見て固まった。