「えー、心霊スポットなんかやだよー。山の中とか廃墟にいくんでしょ? 怖いー」
「いや、そんな遠くじゃ無いんだって。この近くにあるんだけどさ、行ってみねぇ?」
はっきり言って霊なんて信じてないし、ホラー番組なんてインチキばっかり。
あんなの、かまちょが注目されたくて嘘ついてるだけじゃん。
そう思うんだけど、アキラは怖い話大好きなんだよね。私は全然興味ないし、怖いんだけど彼氏に話し合わせてんの。
「えー、こんな住宅街にあるわけ? 遠くないならいいけど」
「全然近い、なんならミユも、俺の家に行く時にそこ通ってるからね」
全然わかんない。
そんなキモい廃墟とかあったけ?
そう言えば、アキラのマンションに向かう途中で、使われてるか分かんないようなコインランドリーが道中にあった気がするけど。
「もしかして、古いコインランドリー?」
「正解、もしかしてミユって霊感あるんじゃね? あそこが心霊スポットってわけ。遠くないしさコンビニ行くついでに覗こうよ」
喉も渇いたし、何かお菓子でも買うついでに覗きに行くくらいなら良いかな。
なんであの古いコインランドリーが思い浮かんだかって、ただの偶然だよ。
私はアキラと一緒にマンションを出ると、駅の方向へ向かった。
住宅街を抜けて十字路の先にあの寂れたコインランドリーがある。そう言えばここの十字路、見通しは良いけど事故が多いのかな花束が置かれてるし。
「見えてきた〜〜! あそこさ、もう数年前から使わてないんだよ。なんでか知ってる?」
「ぜんぜん分かんない」
「元々、近所のお婆さんが引きこもりの息子に滅多刺しにされて、コインランドリーで息絶えたって事で事故物件サイトに載ってたの。でもさ、これ昭和の話で結構古いんだよ。
だから近所の人しか知らないんだけさ、数年前ここで警備員だったか、守衛やってた奴が死んでたんだ……ランドリーの中に入って窒息死だって。何を見たのか知らねぇけど、喉を掻きむしって凄い顔してたらしい」
事件がここで二回も起きていたら、さすがにお客さん来ないよね。
完全に事故物件の優良物件っていうか。
そしたら経営も立ちいかなくなるだろうし、廃業しちゃってもおかしくない。
ていうか、どうやってランドリーの中に入って死ぬの、体どんだけ柔らかいんだよ。
アキラの話が嘘か本当かわからないけど、目の前にある古いコインランドリーは不気味すぎる。
「ねぇ、中に入ったら私らヤバくない?」
「大丈夫だよ。ここ、終電無くなったら人通り全然なくなるから通報されないっしょ」
だいたい、やってないなら鍵かけられているんじゃない?
でも、考えたらこのコインランドリー、シャッターも下りてないんだよね。
鍵もかかってないとかそんなことある?
普通に入れちゃった……やっぱカビ臭い。
「まぁ、狭いし。一周したらもう出よ」
「ランドリーの中開けていこうぜ。もしもし、入ってますか〜?」
アキラがふざけてランドリーの扉を開いてく。
私は携帯のライトを照らして中を見回すとチノパンにシャツを着た、大学生みたいな男の背中が見えて携帯を落としそうになった。
何してんのよあいつ。
なんであんなとこで突っ立って……。
「雨の日はあの女に見つかったら駄目、駄目、駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目」
ライトをそのまま上に向けて照らすと、虚ろな目をした顔はこちらを向いてた。頭の一部が欠けて血が滴り落ち、私は絶叫する。
後ろでアキラが同じタイミングで悲鳴をあげてランドリーから後退ってた。
――――守衛のおじさん、いたんだ。
「いや、そんな遠くじゃ無いんだって。この近くにあるんだけどさ、行ってみねぇ?」
はっきり言って霊なんて信じてないし、ホラー番組なんてインチキばっかり。
あんなの、かまちょが注目されたくて嘘ついてるだけじゃん。
そう思うんだけど、アキラは怖い話大好きなんだよね。私は全然興味ないし、怖いんだけど彼氏に話し合わせてんの。
「えー、こんな住宅街にあるわけ? 遠くないならいいけど」
「全然近い、なんならミユも、俺の家に行く時にそこ通ってるからね」
全然わかんない。
そんなキモい廃墟とかあったけ?
そう言えば、アキラのマンションに向かう途中で、使われてるか分かんないようなコインランドリーが道中にあった気がするけど。
「もしかして、古いコインランドリー?」
「正解、もしかしてミユって霊感あるんじゃね? あそこが心霊スポットってわけ。遠くないしさコンビニ行くついでに覗こうよ」
喉も渇いたし、何かお菓子でも買うついでに覗きに行くくらいなら良いかな。
なんであの古いコインランドリーが思い浮かんだかって、ただの偶然だよ。
私はアキラと一緒にマンションを出ると、駅の方向へ向かった。
住宅街を抜けて十字路の先にあの寂れたコインランドリーがある。そう言えばここの十字路、見通しは良いけど事故が多いのかな花束が置かれてるし。
「見えてきた〜〜! あそこさ、もう数年前から使わてないんだよ。なんでか知ってる?」
「ぜんぜん分かんない」
「元々、近所のお婆さんが引きこもりの息子に滅多刺しにされて、コインランドリーで息絶えたって事で事故物件サイトに載ってたの。でもさ、これ昭和の話で結構古いんだよ。
だから近所の人しか知らないんだけさ、数年前ここで警備員だったか、守衛やってた奴が死んでたんだ……ランドリーの中に入って窒息死だって。何を見たのか知らねぇけど、喉を掻きむしって凄い顔してたらしい」
事件がここで二回も起きていたら、さすがにお客さん来ないよね。
完全に事故物件の優良物件っていうか。
そしたら経営も立ちいかなくなるだろうし、廃業しちゃってもおかしくない。
ていうか、どうやってランドリーの中に入って死ぬの、体どんだけ柔らかいんだよ。
アキラの話が嘘か本当かわからないけど、目の前にある古いコインランドリーは不気味すぎる。
「ねぇ、中に入ったら私らヤバくない?」
「大丈夫だよ。ここ、終電無くなったら人通り全然なくなるから通報されないっしょ」
だいたい、やってないなら鍵かけられているんじゃない?
でも、考えたらこのコインランドリー、シャッターも下りてないんだよね。
鍵もかかってないとかそんなことある?
普通に入れちゃった……やっぱカビ臭い。
「まぁ、狭いし。一周したらもう出よ」
「ランドリーの中開けていこうぜ。もしもし、入ってますか〜?」
アキラがふざけてランドリーの扉を開いてく。
私は携帯のライトを照らして中を見回すとチノパンにシャツを着た、大学生みたいな男の背中が見えて携帯を落としそうになった。
何してんのよあいつ。
なんであんなとこで突っ立って……。
「雨の日はあの女に見つかったら駄目、駄目、駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目」
ライトをそのまま上に向けて照らすと、虚ろな目をした顔はこちらを向いてた。頭の一部が欠けて血が滴り落ち、私は絶叫する。
後ろでアキラが同じタイミングで悲鳴をあげてランドリーから後退ってた。
――――守衛のおじさん、いたんだ。