八雲くんはこの人の言うとおりカッコイイ顔をしている。





顔出しすれば女性ファンがかなり増えそうだけど、本人が出したくないって言ってるし。





「俺はあれでいいんだよ。顔出さない方が皆悩みを話しやすいだろ?」





顔みていたら表情とか伺って、話に集中出来ないかも。





そういう所も考えて顔出しをしないようにしているんだ。





「まぁな。お前がそれでいいならいっか。じゃあ、また後でな」





「おう」




ハイタッチを交わして別れた2人。爽やかな彼はまた他の配信者に挨拶をしに行き、依乃里たちはビュッフェがあるテーブルの方へ向かっていった。





「今のは?」






「アイツはゲーム実況者の『ルビー様と呼べ』だ。配信始めた頃からよく知っている」





「見たことあるかも。確かホラーゲームメインだよね」




あれ?ルビー様ってもう少し話し方もヒステリックな感じで、あんなに爽やかではなかったような。



どっちが本当のルビー様なの?ていうか、ゲームの時に出るあれが本性とか……。





ホラーゲーム並に怖くなってきた。





「さすが依乃里。他にも人気配信者いるから話したい人がいたら言えよ」





「うん。あ、八雲くん」





「なんだ?」