「撮影中の俺、どうだった?」

「カッコ良かったです」


 素直に答えた私の言葉を聞き「……そっか、よかった」と微笑んだ西田さんの表情が、なんだか本当に嬉しそうに見えて私まで口元が緩む。


「私の感想なんてあまり役に立ちませんよ?」

「そんなことない。一番俺の近くに居て、一番世間の目に近いんだから」


 最善な判断ができるはずだと言われ「なら、うちの販促用ポスターは今迄で一番イイ表情の西田さんでお願いしますね。私も各店舗の一番目立つ壁に貼ってもらえる様に、今から根回ししとかなくちゃ」と冗談半分で口にすると。黙って聞いてくれいた西田さんが、突然「分かった!」と私を指さした。


「優羽が一生懸命な姿を見てると、助けたくなっちゃうんだよ。何かしてあげたいって思えてくるんだ」

「それって、私がドジでミスばっかりするから頼りないってことですか?」

「じゃなくて。一生懸命な子が好きなんだって意味。で、助けるのは俺でありたいと思うから。イコール、好きな子には色々と束縛しちゃうってこと」


 色々と束縛してしまうとは、例えばどこら辺までがボーダーラインなのだろう。もしかして細かいことまで気にされたりするのかな。


「うわっ、めんどくさっ。意味分かんない」