どうしてなのだろう、と思いながら西田さんが撮影している姿を見学していると。目の前で撮影していた西田さんがカメラマンさんと何やら意見を交わし始め、一旦撮影を中断した。そして先程手渡した我が社の手帳を手にした西田さんが、撮影位置まで戻って来たのだ。


「真島さん。試しにこの手帳を小道具に使わせてもらうね」


 西田さんに声をかけられ、慌てて頷き返事をする。了承を得た西田さんは手帳を開き真剣な表情を浮かべ視線を落とすと、同時にカメラのシャッターが連続してきられた。


 カッコイイ。あんな表情を瞬時に作れちゃうなんて、さすが俳優さんだ。


 感心しつつ、私も周りのスタッフさん達から色々とアドバイスを貰う。
 今まで私が知らなかった西田さんの魅力は「TEAMRyuスタッフ」に確認するのが一番分かり易く的確なことがよく分かる。西田さんの近くで接しているスタッフは、ファンが喜ぶ表情や仕草等を熟知していて、色々と細かく教えてくれた。


 最終的にポスターやCМは、初代社長が文房具愛に目覚めたきっかけである万年筆と共に。大人の色気で攻めたらどうか、ということで落ち着いたのだが。
「どうせなら爽やか系とか色んなパターンも作ろうよ」と言い出した西田さんは、早速マネージャーさんにスケジュール調整を依頼していた。