こんな真昼間に俳優の西田リュウと肩を並べて歩いているなんて、嘘みたい。
私が気にしないように、さっきから他愛もない会話をしてくれていて。歩幅まで合わせ歩いてくれている、さり気ない気遣いが嬉しい。
「もうすぐ着くよ」
「ありがとうございます」
「ん? なにが?」
「いえ、何でもないです」
見上げれば、隣には私を見つめ返している西田さんの笑顔があって。なんだか自然と微笑んでしまうのだった。
事務所の入り口で立ち止まった西田さんから「一緒に入って変な勘ぐりされると面倒だし、時間差で入ろう」と提案され。先に私が受付を済ませることになった。
「お世話になっております。本日、西田リュウさんと十一時に打ち合わせ予定のH&T㏇真島です」
受付でマネージャーさんへの取り次ぎを待っていると、自動ドアが開き西田さんが現れ。「あ、真島さんだ。お疲れ様です、今着いたんですか?」と白々しい嘘をつき、私に声をかけて来た。
さすが役者だ。この嘘は私しか知らない為、これが演技だと受付嬢は気付いていない。
西田さんは「何? マネージャーに取り次ぎ? いいよ、俺が連れて行くから」と断り内線電話を切らせた。
私が気にしないように、さっきから他愛もない会話をしてくれていて。歩幅まで合わせ歩いてくれている、さり気ない気遣いが嬉しい。
「もうすぐ着くよ」
「ありがとうございます」
「ん? なにが?」
「いえ、何でもないです」
見上げれば、隣には私を見つめ返している西田さんの笑顔があって。なんだか自然と微笑んでしまうのだった。
事務所の入り口で立ち止まった西田さんから「一緒に入って変な勘ぐりされると面倒だし、時間差で入ろう」と提案され。先に私が受付を済ませることになった。
「お世話になっております。本日、西田リュウさんと十一時に打ち合わせ予定のH&T㏇真島です」
受付でマネージャーさんへの取り次ぎを待っていると、自動ドアが開き西田さんが現れ。「あ、真島さんだ。お疲れ様です、今着いたんですか?」と白々しい嘘をつき、私に声をかけて来た。
さすが役者だ。この嘘は私しか知らない為、これが演技だと受付嬢は気付いていない。
西田さんは「何? マネージャーに取り次ぎ? いいよ、俺が連れて行くから」と断り内線電話を切らせた。