「大げさだなぁ。何のためにスマホ持ってるのさ? 俺でもマネージャーにでも事務所にでも、道に迷ったって電話すればよかったのに」
「あぁ! そっか。そうですよね、そのテがあったのか! なにやってるんだろ」
焦り過ぎて手にしているのがスマホだということを忘れていた。
西田さんに触れられ、ドキドキしながらも「そうだ、これも忘れないうちに」とバッグから頼まれていた手帳を取り出す。
何処で手渡しすることになるか分からなかったため、会社の封筒に入れてきてよかった。これなら誰かに見られても、仕事の書類等を渡しているようにしか見えないだろう。
封筒を受け取った西田さんは「ありがとう。早速使わせてもらうね」と、封筒を目元まで上げパタパタと振ってみせた。
「行こうか。案内するよ」
「すみません、また助けてもらっちゃいましたね」
「謝らなくていいよ。誰だって道に迷う時もあるし、忘れ物だってするんだから」
「謝るより、ありがとうって言ってよ。その方が数倍嬉しい」と付け加えられた言葉に、救われたような気がする。
確かに、何かした時。相手から「ありがとう」と感謝されると自分も嬉しい気持ちになるものだ。
「あぁ! そっか。そうですよね、そのテがあったのか! なにやってるんだろ」
焦り過ぎて手にしているのがスマホだということを忘れていた。
西田さんに触れられ、ドキドキしながらも「そうだ、これも忘れないうちに」とバッグから頼まれていた手帳を取り出す。
何処で手渡しすることになるか分からなかったため、会社の封筒に入れてきてよかった。これなら誰かに見られても、仕事の書類等を渡しているようにしか見えないだろう。
封筒を受け取った西田さんは「ありがとう。早速使わせてもらうね」と、封筒を目元まで上げパタパタと振ってみせた。
「行こうか。案内するよ」
「すみません、また助けてもらっちゃいましたね」
「謝らなくていいよ。誰だって道に迷う時もあるし、忘れ物だってするんだから」
「謝るより、ありがとうって言ってよ。その方が数倍嬉しい」と付け加えられた言葉に、救われたような気がする。
確かに、何かした時。相手から「ありがとう」と感謝されると自分も嬉しい気持ちになるものだ。