隆好のマンションから直接出社すると既に先日のロビーでの一件が噂となり、社内に広がっていた。
周囲からの白い眼は、明らかに私に対する偏見の目が殆どで。通り過ぎる私に視線を送りながら口々に言った。
「ほら、あの人だって。副社長……」
「えー、ホントなの?」
「だって修羅場に居合わせた人が言ってたもん」
いやだな。裕隆さんとのことを誤解されるのが結果的に隆好の秘密を守るためだと分かっているけれど。
こんな話、隆好に聞かれたくない。
「あ、先輩。おはようございます」
ドンヨリした気分を一新してくれたのは、他ならぬ晴海ちゃんだった。満面の笑みで受付カウンター内から私に手を振っている。
そんな晴海ちゃんの態度に周囲は驚きを隠せないようで、私達の行く末を見守るように視線を送っている。
周囲の視線を浴びながら、声をかけてくれた晴海ちゃんに近づく。
「今朝から副社長と先輩の噂でもちきりなんですよ。私も朝からずっと二人との関係性を尋ねられることが多くて」
「まるで先輩が嫉妬して修羅場になってた、みたいな話になってて」と晴海ちゃんに耳打ちされた。
周囲からの白い眼は、明らかに私に対する偏見の目が殆どで。通り過ぎる私に視線を送りながら口々に言った。
「ほら、あの人だって。副社長……」
「えー、ホントなの?」
「だって修羅場に居合わせた人が言ってたもん」
いやだな。裕隆さんとのことを誤解されるのが結果的に隆好の秘密を守るためだと分かっているけれど。
こんな話、隆好に聞かれたくない。
「あ、先輩。おはようございます」
ドンヨリした気分を一新してくれたのは、他ならぬ晴海ちゃんだった。満面の笑みで受付カウンター内から私に手を振っている。
そんな晴海ちゃんの態度に周囲は驚きを隠せないようで、私達の行く末を見守るように視線を送っている。
周囲の視線を浴びながら、声をかけてくれた晴海ちゃんに近づく。
「今朝から副社長と先輩の噂でもちきりなんですよ。私も朝からずっと二人との関係性を尋ねられることが多くて」
「まるで先輩が嫉妬して修羅場になってた、みたいな話になってて」と晴海ちゃんに耳打ちされた。