けれど、無意識に隆好へ視線を向ければ。
目が合うことも無く、隆好の目線は他へ向けられているから。
どうしても、深い溜息を吐いてしまう。
私も裕隆さんと同じで「隆好のために」と何かしている時は、自分のことを後回しにしているな。
あぁ、やめよう。変な思考になってしまうのも裕隆さんのせいだ。
裕隆さんからあんなことを言われなければ、仕事に没頭して夢中になっている隆好の姿を目にしても、微笑ましく眺めていられたのに。
考え事をしていると、周りが見えなくなってしまう癖がでてしまっていたらしく。隆好が私の背後に回り込んでいたことにも、全く気づかなかったため。
突然肩に隆好の顎が乗せられ「夕食は何かなー」と囁かれ、驚いた私は慌て過ぎて。手に持っていたお玉を、鍋に落としてしまい。
同時にグツグツ煮込まれていたシチューが跳ね、手の甲に飛んだ。
「あちっ」
「大丈夫?」
「平気平気。またドジっちゃった」と笑って答える私の手を取り水道の蛇口を開け冷水を手の甲に浴びせてくれた隆好は、怒られた子犬のようにシュンとしてしまった。
「急に驚かせてごめん」
「いいってば、ホントに大丈夫だから」
目が合うことも無く、隆好の目線は他へ向けられているから。
どうしても、深い溜息を吐いてしまう。
私も裕隆さんと同じで「隆好のために」と何かしている時は、自分のことを後回しにしているな。
あぁ、やめよう。変な思考になってしまうのも裕隆さんのせいだ。
裕隆さんからあんなことを言われなければ、仕事に没頭して夢中になっている隆好の姿を目にしても、微笑ましく眺めていられたのに。
考え事をしていると、周りが見えなくなってしまう癖がでてしまっていたらしく。隆好が私の背後に回り込んでいたことにも、全く気づかなかったため。
突然肩に隆好の顎が乗せられ「夕食は何かなー」と囁かれ、驚いた私は慌て過ぎて。手に持っていたお玉を、鍋に落としてしまい。
同時にグツグツ煮込まれていたシチューが跳ね、手の甲に飛んだ。
「あちっ」
「大丈夫?」
「平気平気。またドジっちゃった」と笑って答える私の手を取り水道の蛇口を開け冷水を手の甲に浴びせてくれた隆好は、怒られた子犬のようにシュンとしてしまった。
「急に驚かせてごめん」
「いいってば、ホントに大丈夫だから」