「んっ……」


はじめて、唇に。

甘いしびれが体中を駆け巡った。

おでこでもなく。首でもなく。

伊緒くんの体温を一番感じられる唇に降ってきたキスに、もう全身が溶けてしまいそう。


「はあっ……んっ……」


呼吸困難になりそうなほどキスを続ければ、私は足元から崩れそうになって。

伊緒くんは、そんな私の体をぎゅっと抱きしめ支えてくれた。


「モモは、もう俺のものだ」

「……ん……」

「一生離さないし」

「うん……一生離れないよ……」

「約束だからな」

「うん……約束……」


そう言って、近づいてくる顔に再び目を閉じて。

誰も見てない満天の空の元、私たちはもう一度誓いのキスをした。




今までも、これからも。

ずっとずっと、伊緒くんと一緒にいられますように──




*おわり*