自分でも、何を言ってるのかわかんなくなっちゃう。
身振り手振りをつけながらジタバタする私の手を、伊緒くんが握った。
「いい? 俺が好きなのは昔からモモだけ」
言い聞かせるようなその言葉。今度はすっと胸に入って来た。
……伊緒くん……。
それが本当なら、今にも天に昇っちゃいそうなくらい嬉しいよ。
だって。
「わ、私だって、伊緒くんが好き。ずっとずっと、伊緒くんだけが好きだったよ……」
私も、15年分の想いを必死に伝える。
「……マジで……?」
半信半疑に問いかける伊緒くんに向かって「うんうん」と、首を縦に下ろし続ける。
「モモ……っ」
伊緒くんは、またぎゅっと私を抱きしめた。
ふたりの体がひとつになっちゃうんじゃないかってくらい。きつく、きつく。
「伊緒くん」
その体を離して、私は伊緒くんをまっすぐ見上げた。
「もう自分を責めないでほしいの」
「モモ……?」
「……おでこのこと。これは事故だったんだし。私、伊緒くんのせいだなんて一度も思ったことないよ?」
そう言うと、伊緒くんは下唇を噛んだ。
まるで、感情を抑えるように。
「あのね……あの映画を見て、きっと伊緒くんは私のおでこのケガのせいで私に縛られてるのかなって思ったの……」
「やっぱりそうだったのか」