「そっかーーーー。伊緒くんには勝てないかーーーー」


真柴くんは大きな息を吐きながら、空を見上げた。

……こんなに優しい真柴くんを振るなんて、罪悪感でいっぱい。


「モモちゃんはさ、伊緒くんにはコクんないの?」

「へっ!?」

「だってさー、いつまでも幼なじみでいるのつらくない? とっととコクって、どっちかに転んだ方がいいじゃん!」

「うん……でも……」


私が伊緒くんに告白……なんて、考えたことなかった。

幼なじみじゃなかったら、言えてたのかもしれないけれど。


「俺は、モモちゃんが笑顔で居てくれることが一番だから。俺、伊緒くんを好きなモモちゃんが好きなのかも」


あはっとおどけたように笑って、私の肩にポンと手を乗せた。


「ありがとう……」