お互いが熱を発しているのか、最初は冷たかった肌も、触れ合っている部分がだんだん温かくなっていく。
トクトクトク……
聞こえてくる鼓動のリズムが心地よくて、落ち着いて。
気づいたら、伊緒くんのシャツを胸元をぎゅっと握りしめている私がいて。
「あっ、ごめん」
離れようとしたら、引き戻されて、また体がくっついた。
「……っ」
なにも言わない伊緒くんに抱きしめられたまま、ただ私はひとりでドキドキして……。
雨の音も、カミナリの音も、気づけば何も聞こえなくなっていた。
やがて、雨も小康状態になって。
「ありがとうございましたー」
ガレージを貸してくれた家に向かって声をかけて、私たちは家へと帰った。