その瞬間、背筋がやはり凍り付く様な気がした。
震え上がった自身の腕を押さえ、ゆっくり擦った。
すると、それに気が付いてくれた健太くんが私に近寄り、軽く肩を抱き、優しく擦ってくれる。
楓は小さく目を見開いて、少しの間だけ静止していた。
そんなことにも健太くんは動じず、話し始める。
「最近、海藤が話し掛けてきた内容で、妙に俺の中で引っ掛かってることがあって……」
「どんなことですか? そういうの逐一、教えてもらえると助かるかも。前兆が分かるかもしれないので」
楓は、前のめりに聞こうとする。
「そうっすね。3人で共有しましょうか」
「うん! ありがとうございます。で、どんなことが引っ掛かったんですか?」
「……やたら、俺と華世ちゃんの関係を聞かれたんですよ。幼馴染みだって言っても、こう2人が執着するのは可笑しいって。なんか俺らのこと、今まで以上にしつこく聞いてきて、引っ掛かりましたね」
「もう付き合ってるって、言っちゃえば良かったのに」
楓の爆弾発言に、健太くんも私も同じ顔で凍り付く。