「兄ちゃん、この家を出てゆくと言ったら、どうする」
いよいよ、わたしの初恋にけじめをつけなくてはいけない。
今日は、その『告白の日』

この歳になり、兄ちゃんが好きだとは言えない。
けれど、「彼がいる」と兄へ言った途端に、
幼い頃から懐いてきた気持ちが砕けた氷のように溶けて消えてしまう。
そんな気がしていた。