「ゆき乃、本気なのか」 「好き。初めてなんだ。こんな気持ち」 本当は、可愛い妹と離れたくないのだろう。 「俺も傍にいてやれないんだよ」 「父さん達に内緒のまま、駆け落ちか」 「それでも、いいのか?」 それが、兄の本音だった。 その言葉は嬉しい。 男の目には、涙が溢れてゆく。