「そりゃあ、良い物を食べさせてもらい」
「綺麗な服を着させてもらい」
「短大まで入れてもらえた」
「両親にその点は感謝しているよ」
「けれど、絶対に嫌なものは嫌や」
今まで言えなかったことを全てぶちまけてしまう。
兄はその言葉をひとつひとつ受け止めて頷いてくれる。
「おまえも大人になった証拠や」
「ありがとう」
涙が止まらない。
「彼、卒業したら、仕事で鹿児島へ行っちゃうの」
「でも、付いていきたい」
そう言うのが、精一杯だった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…