それが、初恋の終焉、けじめだから。
そして、この家をやっと抜け出せる機会。
ずっと、この時を待っていたのだ。
けれど、少しばかり、寂しさが募ってくる。

わたし、幼い頃から兄の優しい加護〈カゴ〉の中で大きくなってきた。
でも、兄のこと、いつかは忘れなくてはいけないのだ。