その夜、兄へ正直な気持ちを打ち明けてゆく。
まもなく、冬を迎え誕生日がくると、十八歳を迎える。
「お兄ちゃん、ずっと、内緒にしていてごめん」
ここには、兄と妹の二人だけしかいない。
いつからか、男のまなざしには涙が浮かんでいる。
「実は短大に入った時から付き合っていたの」
「・・・・」
兄、わたしの寂しそうな顔をじっと見つめている。
もしかしたら……
好きになった男がいることを知っていたのだろうか。
「涼介って言うんだ。少し年上のひと」
「へぇーお前にそんな男がいたんだ」
兄はビックリしている。
けれど、その言葉に少しだけ、怒ってしまう。
もちろん、この機会を逃したらいけないと、
無理やりに、強がりを言っていた。