『兄との訣別』

「お兄ちゃん、ありがとう」
そんな別れの言葉が似合う時が、とうとうやってきてしまう。
この日がくるのが、ずっと、怖かった。

わたしの心の深淵には……
幼い頃から他人には言えない秘密がある。
開けてはいけない『禁断のパンドラの箱』
よく言われる、不毛の愛。
何故か、実兄のことが好きになっていた。
いつから、こんな気持ちとなってしまったのだろうか。