「どうしたの?」

「今日、放課後、また勉強教えて」

「!いいよ!」

「ありがと……」


ふふっ、いまはデレデレ期なのかな?

微笑ましいなぁ〜。


「……本当天使さまはすごいわねー」

「?」


突然謎すぎることを言った陽奈ちゃん。


「て、天使さまって?」

「ふふっ、なんでもないなんでもない」

「わ、わかった……」


よく学校で“天使さま”とか、“女神さま”とか聞くけど、噂によると陽奈ちゃんは女神さまと言われているらしい。

ご最もだと思う。

スタイル、お顔、なにもかも完璧で、神様が完璧に作り上げたと言っても過言ではない美貌の持ち主なのだから。


「天音、席座ろ」

「あ、そうだね!」


もうすぐHR始まっちゃうっ……!!

急いで席に着き、荷物の整理をした。

……先生はまだ教室に来ないので、久遠くんをひたすらに見つめる。

こんなに見てたら、気持ち悪いってわかってるのに、気がつくと視線が久遠くんにいつも行っている。

すると、斜め後ろの席から、「うわっ」という陽奈ちゃんの声がした。

ど、どうしたんだろう?

慌てて振り返ると、陽奈ちゃんまで久遠くんの方を見ていた。


「ど、どうしたの?」

「……いま、久遠の方を見てたんだけどね」

「う、うん」


も、もしかして、陽奈ちゃんも久遠くんのこと好きとかっ……!?

いやいや、陽奈ちゃんには『王子様』って言われるほどカッコいいって言われている、如月颯くんという彼氏がいるし、さすがにそれはないよねっ……!!


「……アイツ、ちょっと天音が久遠から目を離した瞬間に、こっちめっちゃ見てるのよ」

「へっ……?つ、つまり、どういうこと……?」