「あっ……あのっ……久遠くんっ……」


ううっ……心臓、ドキドキうるさいよぉっ……。


「天音……?」

「!しゃ、喋って、くれたっ……!!」


そ、それにっ……!!名前も呼んでくれたっ……!

う、嬉しいっ……!


「あ、あのっ……さ、私のこと……嫌かな……?」

勇気を出してそう聞いてみる。


「……は?」

「あっ……や、やっぱり嫌、だったよねっ……」

「っ……ちょっ……待て。どこ行くんだ」

「へっ……!?」


涙が溢れるのを我慢して、席に戻ろうとすると、ぎゅっと手首を久遠くんに掴まれた。


「だから……そういうんじゃなくて……とにかく俺はお前は嫌いじゃない」

「ほ、本当っ……!?」

「ああ」

「よ、よかったっ……!!」


す、すっごく嬉しいっ……!!

頑張って、聞いてよかったなっ……!

あ、でも……まだ聞いてないこと、あった……。


「あ、あのさっ……!久遠くん」

「どうした?」

「あのっ……れ、連絡、しゃきっ……交換しましぇんかっ……?」


ううっ……めちゃくちゃ噛んじゃったっ……。

「っ……。いいよ」

「えっ!!本当っ……!?」

いいって言ってくれると思ってなかったから……とっても嬉しいなっ……!


「……嫌なのか」

「ちがうよ!すごく嬉しいっ……!」

「あ、あのっ……」

「……なんだ」

「これから、仲良くしてくれると、嬉しい、なっ……」


そう言いながら、連絡先を交換できたのが嬉しすぎて、にやにやが止まらなくなってしまった。