「て、天使さまっ……?」

わ、私に言ってる……?


「天使さまって、人違いじゃ……?」

「いいえ!人違いなんかじゃありませんっ……!」

「ええっ……!ぜ、絶対ちがうからっ……!あのっ……仲良くなりたいし、敬語はやめて……?」

「……は、はい……」


い、いまのは敬語に、カウントしないようにしよう。

……えへへっ……これから、仁くんとも仲良くなれたらいいな。

そんなことを思うと、なんだかとてつもない視線を感じた。

……?久遠、くん……?

周りを見渡すと、私のことを睨みつける久遠くんの姿が見えた。

その久遠くんの姿を見た瞬間、泣き出しそうになってしまった。


あ、あんなに、睨まれたの、初めてだっ……。

わ、私、やっぱり、嫌われてる……?のかな……。


「……ったく。天音、気にしないのよ」

「……う、うんっ……」

「……それでね、天音」

「なぁに……?」


ど、どうしたんだろう……?


「久遠に、連絡先を聞くのよ」

「へっ!?」


れれれれ、連絡先っ……!?


「そしたら、仲良くなれるわよきっと!あと、嫌われてるのか心配なら、ついでに私のこと嫌い?とでも聞いてくればいいんじゃない?」

「!た、たしかにっ……!!」

そ、そしたら、一石二鳥かなっ……!?

「じゃあ、授業が終わったら行ってきなさい!」

「わ、わかったっ……!!」


よし、頑張るぞっ……!!

それから数分が経ち、授業が終わりいまは休み時間。

深呼吸をして、久遠くんの元へ向かった。