久遠くんが、陽奈ちゃんのことが、好きってことなのかな……?


「……天音のこと見つめてるのよ」

「へっ!?か、勘違いじゃっ……!?」


たまたまだと思うけどっ……!

でも、本当に私のことを見てくれてたら、とっても嬉しいな、なんてっ……。


「はぁ!?……勘違いなわけないでしょ」

「そ、そっかっ……」

う、嬉しいっ……?

た、多分っ……。

コロンッ

?なんの音だろう?

なにかが落ちた音がして、床に視線を移すと、消しゴムが転がっていた。


誰のだろう?

わからないけれど、とりあえず拾おうと手を伸ばすと、隣の席の月城仁くんも消しゴムを拾おうとしていたのか、手が触れてしまった。


「あっ……ご、ごめんね!」

「い、いえっ……こちらこそ、すみません……拾っていただきありがとうございます……」

「ううんっ……!!」

っていうかっ……敬語だった……?

「月城くん……!あの、タメ口でいいよ……?」

「い、いえっ……“天使さま”と喋るなんて、めっそうもないですしっ……!」