あの日、足も手も震えているのに真っ直ぐと
透き通る声で話す木崎さんを綺麗だと思った。



だから、ほっとけなかった、

いつもだったら絶対そんなことしないのに


わざわざ自分から女に近づいたりしないのに、


ちょっと話してみたいと思った。


透き通るような綺麗な声を、視線を俺にも向けて欲しいと思った。


母親から受けることのなかった愛を、別の愛としてこの人から貰いたいと思った。