先輩と出会った忘れもしないあの日を_____
移動教室のあとに栞がないことに気づいた。
その栞はお父さんの形見で、お父さんご亡くなった小4の時からずっと持っていたんだ。
すごく大切にしていたものだから、葵ちゃんに声をかけてすぐに探しに行った。
お願い、見つかって
移動教室で通った渡り廊下まできて栞を見つけた。
でもそれは、校内では結構有名な不良さんたちの足の下だった。
こ、怖いけど
出来れば関わりたくない。
でも栞はきっと、昨日降った雨のせいで既にボロボロだ。これ以上放っといたら、
「あ、あの!」
「あ?」
「そのし、栞、、、」
足元を指差して声をかける。