「ちげーよ、奪おうとなんてしてないから。俺も今から買うとこだから一緒に買ってきてやるよ。」


あっ、奪われるんじゃないんだね。

て、

「いやいいよ!自分で買えるよ!」


「いいって、こんぐらい買ってやるよ。」


そういうとこ、私の手からオムレツパンを奪い会計に向かってしまった。


まぁ、いっか、

せっかくだから奢って貰おう。いつかお返しはするけどね。


こういうこと当たり前のように出来ちゃうところがモテるんだろうな。

そんなことを想いながら会計をする樹くんの背中を見ていた。


「はい、」

会計を終えた樹くんが戻ってきた。


「ありがと!」


「どういたしまして、教室行こうぜ」

「うん!」