「花が購買とか珍しくね?」
そう言ってきたのは同じクラスの男子岡本樹(オカモトイツキ)くんだ。
「樹くん」
彼は、唯一の男友達だ。小学校から一緒でよく話す仲なんだ。
「先輩はもういーの?」
そして、私が先輩のことを好きなのも知っている。
「あのね、葵ちゃんに押してだめなら引いてみろって言われて今引いてみろをしてるの、」
「へぇー、」
聞いてきたクセに興味なさそうな返事が返ってくる。
まぁ、わかんないよねモテモテの人にモテない人の気持ちは。
樹くんはハイスペックで小学生の頃からモテモテだったんだ。
女の子から告白されているところを何度も見たことがある。
それより、
「なんかおすすめのパンとかない?」
「あーそれならこのオムレツパンとかうまいぞ」
わぁ~、樹くんの指さす方に視線を向けるとふわふわしてそうなパンがあった。
「じゃ、これにしよ!」
「ん、貸して」
「えっ、嫌だよ!私のだから、」