「ええええーーーーーっっっっ!!!」


今のは私も目が覚めた。ってちゃんと起きてた(はず)だけど。

「だだだ誰っ?どんな人?」

「お前テンション上がりすぎ…」

「んっとね。部活の先輩。昨日告られたんだけど、私もずっと気になってたんだー」

「きゃあー!いいなあ!!」

「何ていう人?」

「3年C組の中川先輩。知ってる?」

「俺知ってるわ。中川奏先輩でしょ?テニス部のエースじゃん」

「エース!?すごーい!!まさにテニスの王子様!!結花いいなあー!!」

「だからさっきからのお前のテンション何だよ…」

「だっていいじゃん!!彼氏がエースで先輩で!っていうか彼氏だったらなんでもいいじゃん!彼氏うらやましいよー!彼氏ほしいよー!!」


すると余裕の笑顔で結花がいう。

「みちるだってきっと今にいい人できるって!!」

「そうかな!?」

「そうだよ!!ねー直くん」

「いやー、できないでしょ…」

「ムカつくっ、何でよー!」

「お前みたいな忘れっぽくて、すぐに妄想の世界にワープしちゃうようなの、相手にできるやついないだろ」

「あー……」

「何よー結花まで!私にだってきっとありのままの私を好きになってくれる人がいるよ」

「イルトイイデスネー」

「直っなんで棒読みなのよ!!ムカつくー」

「あっ予鈴なったよ!急がなきゃ!」


気づけばあんなにいた生徒はもうまばらにしかいない。

3人はダッシュで校門へ向かった。