電車はいつも混んでいる。

いつもの場所から電車に乗り込むと、
ドアのすぐ横に空いているスペースがあった。

そこに立ち、少し後ろに寄り掛かると、
直は私の前にたって携帯をいじりはじめた。

私はさっきの考え事の続きをしょう。


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「青木、大丈夫だから。」


そうそうあの時の直のこと考えてたんだっけ。



…そういえば、直が私を名前で呼ぶようになったのはいつからだろう---


「直」
携帯に夢中になっている直の制服の裾を引っ張る。

「なに?」

「直が私のこと名前で呼ぶのっていつからだっけ?」

直は突然の質問に驚きもせず考え込んだ。

「いつだっけな。中等部入ってからじゃない?クラスみんな仲良くて、なんとなく流れで呼びはじめたんだと思う。つかお前は?」

「私もそうかも。細かいきっかけとかって覚えてないもんだね」

「いや、それはお前が忘れっぽいだけだわ」

笑いながらいう直を叩いていると、電車は駅についた。