その数時間後


俺は永和の土下座を見ている





「本当にすいませんでした」

「だから何で永和が謝んだよ」

「結局ヤっちゃったし……生だし……俺最低」

「合意の上だろうが」

「でも」

「しつけぇな。ぶっ飛ばすぞ」






どっちかっつーと俺が誘ったんだし

永和は悪くない





「んなことより、腹減らねぇ?」

「空きました」

「何か作ってやるから落ち込むの辞めろよ」

「先輩〜好きです」

「何回も聞いた」





服を着つつキッチンに向かう俺の背中に





「先輩………本当にごめん」




小さく謝るのを俺は聞こえないフリをした




そのごめんの意味を分かっていなかった