何故そこは疑問系なんだろう。
左手を顎に添えて、何やら考える仕草をする清瀬くん。
かと思えば、ゆっくりとわたしに視線を向けて言った。
「望月(もちづき)先生って、確か下の名前は秋晴(しゅうせい)だよな?なんで、『アキちゃん』?」
「え……っ」
そして尋ねられたまさかの質問に、思わず声が漏れる。
そ、そこ……?
てっきり、告白のことに触れてくるのかと思ったのに、思ってもみなかった問いに目を丸くした。
まぁ、呼び方の説明くらいなら……。
「シュウセイって、"秋晴れ"って書くんです。小さい頃、わたし『アキ』としか読めなかったので」
「なるほど。それでアキちゃん、か」
コクン、と首を縦にふる。
懐かしいなぁ。
もう私の中では『アキちゃん』が当たり前になってたけど、そんなこともあったね。