「あー……、学習しなさすぎだ〜」
誰もいないのをいいことに、本音が漏れる。
もうきっと、何度告白してもアキちゃんからOKの返事は来ることがないんだろう。
それがわかっているはずなのに、"もしかしたら"という淡い期待が顔を出してしまう。
「教師と生徒って、そんなにダメかなぁ」
初めて告白した中学3年生のときにフラれた理由は『妹にしか見てないから』だった。
それなのに、アキちゃんと同じ高校にやっと入学できたときの2度目の告白に対しては『教師と生徒だから』に変化。
そして今日言われたのは『担任だから』……って。
「あ〜、永遠に無理な気しかしない……」
うぅ、と頭を抱えて、帰る気にもならずに近くにあった机に腰掛けた。
「ひとりでよく喋るな、あんた」
「……っ!?」
突然、自分以外の声が聞こえたのはそんなとき。