「ったく……仕方ねぇな。でもお前ら、俺を推薦したからには俺にこき使われる覚悟しとけよー」
「うわ、職権濫用!」
「バーカ。意味違ぇだろ」
あはは、と、クラスの中が一気に笑い声で溢れかえる。
その中心にいるのは間違いなく清瀬くんその人で、クラス委員長はすんなり決まってしまった。
「じゃあ次は副委員長だな。委員長が男子だからできれば女子から決めたいところだが……」
「はーい!私やりまーす」
「あっ、ズルい!あたしもやりたい〜!」
「私も私もっ!」
アキちゃんが話終わるよりも先に、次々と手を挙げるクラスの女の子たち。
わ……すごい。
みんな、清瀬くんとお近づきになりたいんだ。
ただ人気者なだけじゃなくて、モテるんだなぁ、清瀬くん。
わたし以外のほとんどの女子が手を挙げているこの状況で、わたしは呑気にそれを考えていた。