しばらく待っても当然委員長なんて役職を立候補する人なんていなくて、すぐに推薦方式に切り替わった。
「はいはーい。清瀬ならこのクラスまとめられるんじゃね?」
「……は、俺?」
そして早速手を挙げた1人の男子が、清瀬くんを推薦。
わたしより後ろの席にいる清瀬くんの表情は見えないけれど、彼の驚いた声が聞こえてきた。
「あっ、賛成〜!久遠くんイケメンだし!」
「アハハッ。んなの理由になってねーよ」
「頼む〜清瀬」
クラスのみんなが、彼に頼っているのがわかる。
でもそれは押し付けとかじゃなくて、みんなが心から清瀬くんなら任せられると思っているから。
本当に人気者なんだなぁ。
昨日の意地悪な彼は、もしかして幻だったのかもしれない。
気になる噂も知ってはいるけれど、それもたぶん、人気者な彼を妬んだ誰かが流したものなのかな。