「何度も言ってるだろ、みぃ。───教師と生徒は、恋愛できないんだよ」
……また、ピシャリとそう言われた。
静かな放課後の教室。
目の前には、この学校の数学教師……もとい、わたしの幼馴染。
呆れたその顔はもう何度も見てきたし、そのセリフももう何度も聞いた。
「わ、わかってるもん。けどアキちゃん……」
「けど、じゃないだろ」
「……っ」
いつもながらに、この話をするときのアキちゃんは冷たい。
「今日から、俺はみぃの担任になるんだ。そんなの尚更……」
「ダメだ、って言いたいんでしょ?」
もう聞き飽きた。
あくまでわたしはアキちゃんにとってただの妹。
それ以外にフる理由がまたひとつ増えただけの話。