「これで終わります、ありがとうございました」

あ、委員会終わった。

私も席を立って、片付けを始める。

ふと手元を見ると、委員会のファイル。

あぁもう。

片付けてね、ってあんなに言ったのに。

ため息をつきながら、私は荷物を持って、第二理科室を去った。





*・゜゚・*:.。..。.:*・''・*:.。. .。.:*・゜゚・*

「ただいまー」

キッチンで料理をしているであろうお母さんに声を掛けて、自室に戻る。

ベットにダイブして、少しだけごろごろ。

さぁ、、て。

宿題でもしようかな、と思って机に近付く。

その時、バァン、と効果音が鳴った。

妙にリアルだったから、慌てて後ろを振り向くと。

そこには5歳の弟。

「ねーね‼︎あーしょびーまショー‼︎」

どこの国の人か、外国人みたいな発音で元気に飛びついてくる。

「ごめんねー、ねーね勉強するの」

「なぁんでー‼︎やぁだーー」

今日何度目かのため息をついて、弟を抱き上げる。

「今日だけだよー?」

「うん‼︎」

まあ、ここ最近ずっとその約束してるけどね。

「わかった、じゃあ玄関でいい子にしててね」

「はぁーい‼︎」

急いで支度をして、階段を駆け降りる。

「うるさいわよー、舞結」

「公園で遊んでくる‼︎」

「最近ずっとじゃない?」

「可愛いんだもん‼︎行ってきまぁす‼︎」

「あ、ちょっと⁉︎」

後ろから声が聞こえたけど、廊下を飛び出して、玄関に急いだ。

「陸都ー、って…」

そこには弟の陸都の姿はなく、代わりに扉が開いていた。

さぁぁっと血の気が引いて、もしかしたら、抜け出してしまったかもしれない、と

いう考えがよぎる。

「ウッソ⁉︎」

慌てて家を飛び出して、私は走っていつもの公園に向かった。