廊下を進んで、階段を上った突き当たり。

第二理科室、と書かれた室名札をチラッとみて、ノートと筆箱をカバンから取り出す。

会場に入ると、もうかなり人が集まっていた。

席に座り、目の前の男子に、ファイルを渡す。

委員会、と言っても、小学校の児童会とほぼ変わらない。

変わるとするならば、委員会の方が感じがゆるい、ってだけ。

委員会にそこまで力のはいっていないこの学校は、サボったりしない限り、何をやっ

ててもそんなに注意もされない。

だから、委員会の時間は、委員がほとんど自由に好きなことをしている感じ。

もちろん私も、そのうちの一人。

隣の席に座る、三組の佐々木 会真(ささき えま)ちゃんは、よくイラストを描い

ているし。

前の席の男子たちもふざけ合っている。

そして、私はというと。。小説を書いてる。

趣味で書いてた小説を、逢良ちゃんにみられた時たくさん褒めてくれて、、、、

私の中での宝物になった。

前書いていた友情ものを書き終わってしまったので、次はどうしようかなー、とあた

りを見回してみる。

その時、

「起立してください」

委員長の声が聞こえて、慌てて私も席を立つ。

「これから交流委員会を始めます」

透き通った、でも男の子っぽい低い声。

あ、恋愛ものに決めた。

そうだ。そうしよう。

なんとも思ってなかった先輩のことをいつの間にか好きになって、先輩はずっと前か

らヒロインの事を想ってて、、、

お、いい感じ。

じゃあ、ヒーローのモデルは委員長にしよう。

えっと、あれ、名前なんていうんだっけ。

「会真ちゃん、委員長の名前ってなんていうんだっけ」

「んー?あぁ、確か、小澤陽斗っていうんじゃなかった❓」

小澤 陽斗(おざわ はると)先輩。

「そうだった、ありがと」

小声でお礼を言って、ノートに向かう。

うん、いい感じの小説が書けそう‼︎

私はひたすらノートに文字を綴った。