「………少しだけって言ってんだろ」



グッと引っ張られれば、身体が前のめりになる。


少し前までなら、こんな状況ですぐに頭に浮かんだのは蒼空の顔だった。


なのに今は───



「っ……優…」



脳内に浮かぶよりも先に


その名を口にした。



口にしてはイケナイのに。



もうこれ以上────




「華っ…!!」




あなたに惹かれてはいけないのに。