「久しぶり」
半年ぶりに見たその姿。
どこか前よりもずっと大人っぽくなってて
スーツがとても似合うその人の目は
変わらず優しい。
(ああ…ダメだ。)
姿を見てしまえば、好きが募る。
だけど目は逸らせずにいて、
「っ!」
優と目が合うまではずっと見つめてた。
(目が合っ……)
た。
けれども、すぐに逸らされる。
目が合って嬉しい気持ちから
そんなことをされてはズキッと胸が傷んだ。
優はもう私と関わりたくないのかもしれない。
ううん、きっとそうだ。
だって優には彼女がいるんだもん。
私とは真逆でふわふわ系の可愛らしい彼女が。
「……お手洗い行ってくるね」
なんだか泣きそうになってしまい、友達にそう告げて会場を出る。
その途端に1粒の涙が零れ落ちた。
私は……どこまで優のことが好きなんだろう。
諦めなきゃいけないのに。
もう、想っては、イケナイのに─────。