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「華~!!」
「久しぶり~!」
いよいよ同窓会の日。
同じ学部だった友達と再会して、嬉しい気持ちと楽しい気持ちで心がいっぱいになる。
「蒼空は?」
「新婚旅行だって~」
「えっ!うそ!結婚したの蒼空!?」
「らしいよ~ すごいよね?遠距離になっても別れてないとか」
「蒼空が旦那か~めっちゃ羨ましいんだけど」
みんなが話している事は私にとっては初耳ではなくて、
月姫ちゃんが私と同じ仕事に就きたいと言っていたから、相談に乗っていた時、月姫ちゃんが教えてくれた。
大学を卒業したら結婚するって。
それを聞いた時、凄く羨ましかった。
好きな人と生涯共に出来るなんて
とても素敵な話だと。
「華は付き合ってる人いるの~?」
「や、いないよ?」
「えぇ!!うっそ、フリーなの?」
「その美貌でフリーとか……今日誰かにお持ち帰りされるんじゃない?」
「何言ってんの~ないない!」
「いやいや。華が気づいてないだけで、さっきから華のことチラチラ見てるよ男共」
確かに視線は感じていたけど、
なんだかもう気にならなくて
私を見て欲しい人はただ1人で
「優~!久々じゃん!!」
「っ!」
タイミングよく聞こえたその声に咄嗟に振り向いた。
突然振り向いたから友達も「なに?どーしたの?」と驚いている様子。
だけどもう、
私はそれどころじゃない。