「……ありがとう、送ってくれて」



家の前に優がいる。



「ううん、全然。」



この感じが酷く懐かしい。


大学時代、風邪を引いていた私をこうやって送ってくれたっけ。



昔の事を思い出せば思い出すほど

私の心に広がる何か。



モヤモヤとか、そんなものじゃなくて


とても温かくて


離れ難くて






「…………華?」



あの頃と同じように、私は優の服を掴んでた。