次の日の夜、今日子は久しぶりに親友の理恵(りえ)に電話をした。今の状況を理恵に話をした。

「今日子、どうしちゃったの? いきなり2人の男が現れるなんて、ビックリだよ。ついこの間までは仕事が恋人・・・なんて言っていたのに・・・」
「こんなこと初めてだし、私どうしていいかわからないの。理恵~どうしたらいい? 」
理恵は少し考えてこう言った。
「今日子、私の質問に答えて! 歳を除いたらどっちが好き? 」
「山田君。」
「どっちといた方が楽しい? 」
「山田君。」
「sexは? 」
「えっ、岸さんとはまだだからわからない。」
「山田君との相性は? 」
「最高。」
「あーもう聞いていられない。答え出ているじゃない。山田君よ。そうしなさい。山田君もあんたでいいって言っているんでしょ。将来のことばかり考えていても仕方ないわよ。今を楽しまなくっちゃ。わかった? 今日子。」
理恵は答えを出してくれた。
人生100年時代、どちらかが病気になるかもしれない。いつまで一緒にいられるかわからない。それなのに先のことばかり考えて今をおろそかにしてはいけない。理恵は力説した。楽しめるときにめいっぱい楽しまなくっちゃって。子持ちの母親の意見だった。
それはその通りだ。
岸には早いうちに断ろう。岸は結婚したら病院を手伝ってほしいと言っていた。だから、今の仕事を続けたいというのを理由にしよう。それしかない。
なんか決めることが出来て今日子はほっとした。久しぶりによく眠れた。