今日子は山田のマンションに向かった。気が重かった。
山田は今日子を見ると、抱きついてきた。
「ダメよ・・・今日は話をしに来たのよ。」
そう言って押しのけた。
「何があったの? 話して! 」
「・・・実はね。この間の日曜日に母にお見合いをさせられました。41歳バツイチ、子はいない、実家から近いところで開業している内科医。条件は申し分ないし、先方は話を進めたいと言ってきている。私、山田君のこと大好きだし、一緒にずっといたい。でもね、山田君が40歳の時私57歳、50歳の時67歳、60歳の時77歳なんだよ。まだまだ男盛りの山田君のこと相手出来ないよ。山田君も絶対私では満足できなくなる。山田君の為にも今のうちに、傷が浅いうちに別れた方が良いと思う。わかって! 」
「今日子さん。なんで僕のこと決めつけるの? 僕今日子さんがおばあちゃんになっても愛せるよ。そんな男と結婚しないでよ。今日子さん、イゃだ。」
山田は思いっきり今日子を抱きしめ、押し倒した。
「ぜったい離さないよ。今日子さん・・・」
今日子は困った。
結婚相手として、岸以上の人は現れないだろう。でも山田君の方が好き。どうしよう・・・。