今日子は山田に内緒で日曜日に実家に帰った。実家までは約2時間かかる。
お見合いは実家近くのホテルだった。仲人は母の友人。どうも彼の患者らしい。
お相手の彼は、岸 大輔さん。
口数の少ない、キリッとした男性で、お医者さんらしい顔だとおもった。今日子はイャではなかった。でも山田の顔がチラチラ浮かんだ。
どうしよう・・・
あまり話せなかったけど、真面目でいい人ということはわかった。
その夜、仲人さんから、お話を勧めたいと岸が言ってきたと母のところに連絡があった。母は喜んで、今日子に連絡をしてきた。
「迷ってないで決めなさいよ。また次の日曜日もデートよ。ちゃんと来るのよ。」
今日子は困った。どうしよう・・・山田君・・・
会社ではなるべく山田似合わないように時間をずらした。なんか心がざわついた。
水曜日、山田は今日子を廊下で待ち伏せをしていた。山田は周りに気を配りながら、小声で少し怒るような声で言った。
「今日子さん、僕のこと避けてる? 何かあった? ラインの返事もなんか変だし・・・僕なんか今日子さんの気に入らないことした? 何でも言って。」
「・・・夜、山田君のとこ行っていい? 」
「いいよ。今日は早く帰れるから19:00でどう? 」
「わかった。何か食べるもの買っていくね。その時話すから・・・」