それから、2人は会社にバレないようなところでデートをして、その後どちらかの家に行った。
今日子は歳を忘れて楽しんだ。
しあわせ・・・

今日子は山田と並んでもおかしくないように、少しでも若く見えるように、毎日化粧や洋服に気を配るようになった。
会社では、鳴海課長の変貌が大きな話題となった。山田とのことはバレていなかった。気を付けたから。
「鳴海課長、意外と結構きれいだよな。オレ有かも・・・」なんて言っている男もいた。山田は、それを聞いて「渡すかよ! 」とほくそ笑んだ。


実家の母から久しぶりに連絡があった。
「今日子、 彼氏はできたの? 」
「たまに連絡してきたと思ったらいきなり何なのよ。いないわよ。」
今日子は山田のことはさすがに話せないと思った。
「そうだと思った。来週末お見合いだから帰っていらっしゃい。良いわね。」
「イャよ。放っておいてよ。」
「このままでは一生一人よ、わかってるの? お相手は、お医者さんでバツイチだけど子供はいない。真面目そうな人。背も178㎝あるからいいでしょ。41歳。少し下だけど問題ないわ。もう決めなさい。これ以上無いわよ。じぁあね、日曜日10時には来るのよ。」
母はそう言って一方的に電話を切った。まったく・・・そう思いながらも、少し興味を持った。山田君は楽しいけど、結婚相手にはならない。会うだけ会ってみよう。それからでもいいよね。断るにしても会ってから・・・