沈黙が続いた・・・
「・・・そうか。・・・今日子、本当にいいんだな。」
「はい。」
「わかった。君は若いが良い目をしている、信じよう。今日子をよろしく頼む。」
 父は山田に頭を下げた。
「はい。ありがとうございます。今日子さんを一生幸せにします。」
4人で頭を下げた。
「良かったわね、今日子・・・さ、お祝いしましょ。お寿司があるのよ。」
母は目元が赤かった。喜んでいるのが分かった。

楽しい食事だった。父も母も話していけばいくほど山田を気に入ってくれた。彼の生い立ちを聞いたときには母は泣いていた。なんだか子供がもう一人増えたようだと言ってくれた。
気の早い母は、結婚式の話をし始めた。
「いつ結婚するの? 挙式は? 」
「まだ考えていないよ。あまりお金をかけたくないし・・・2人で考えてから連絡するから・・・」
「こういうことはね。先延ばしにしたらだめよ。」
「仕事のこともあるし、まだ会社にも言っていないし。」
「とにかく早くしなさいよ。」