今日子と山田は週末直ぐに今日子の実家に行った。

「お母さん ただいま~」
「今日子お帰り。」
「お母様ですか、今日子さんとお付き合いさせていただいております山田です。始めまして。」
山田は緊張していたが、そう挨拶した。今日の山田はいつもより少し地味目に、落ち着いているように見せかけていた。
母は山田を見て驚いた。(若い・・・)
「お上がり下さい。お父さん~ 今日子戻りましたよ~」
居間に通された。いつもは使わない居間に座布団が引かれていた。
「こちらにどうぞ。」
父と母は、今日子と山田が座ってから座った。
「今日はお時間いただきありがとうございます。今日子さんとお付き合いさせていただいております山田 樹と申します。」
山田は深々とお辞儀をした。
「今日はご両親に結婚のお許しを頂きたく参りました。」
父は山田に聞いた。
「君は若そうだけど幾つなの? 」
きたー。今日子は緊張した。
「はい。26歳です。」
「・・・17も下か? 」
「いくら何でも・・・」
「今日子、お前いいのか?今は良くてもこの先のこと考えたのか? 」
「考えたわよ。岸さんのお話の時も、とにかく考えました。普通でないことも承知しています。でもね、山田君・・・樹のことが大好きなの。離れられない。この年になるまでこんなに好きになった人はいないの。だから・・・何も言わずに許してほしい。お願いします。」
今日子と山田は2人で頭を下げた。
父はこぶしで机を叩いた。
母は慌てた。
「おとうさん・・・」
父は言った。
「山田君、ずっと今日子のこと守ってくれるのか? 本当に出来るのか? 今は共稼ぎだけどひとりでも養えるのか? 」
「はい、僕が一生お守りします。僕がずっと今日子さんの側にいます。」