そう思っていた矢先、夜会社を出たところに岸が立っていた。
「今日子さん、僕諦めきれずに来てしまいました。」
今日子は困った。この後山田と待ち合わせをしているのだ。
「今日子さんもう一度考え直してもらえませんか。」
今日子は岸の言葉を無視して歩き始めた。少しでも山田との待ち合わせに遅れないようにと・・・
「今日子さん!」
岸は今日子の肩を掴み止めた。
「話聞いてもらえないですか。」
今日子が立ち止まり、岸の前でうなだれた。
そこに山田が現れた。今日子を迎えに来たのだ。
「貴方はなんですか? 僕の彼女に何か用ですか? 」
「山田君・・・」
今日子は慌てた。(ヤバイ・・・)
「君こそなんだ。今日子さんとどういう関係だ? 君の彼女の訳ないだろ。」
「岸さん、ごめんなさい。こちらはわたしの彼氏です。年下の彼氏です。」
「ばかな。今日子さん、考えたらわかるよね。どっちが幸せになれるか・・・」
「考えました。一般的にはあなただと思います。あなたには何でも揃っています。でも私にとっては彼です。それが結論です。ごめんなさい。」
今日子は頭を下げた。岸は唇を噛み、今日子をじっと見た。そして踵をかえして帰っていった。
山田は今日子の手をギュッと握った。
「今日子さん、ありがとう。」


今日子は一層綺麗になれるように努めた。山田との付き合いにより、定期的な運動?をしているので5㎏は減って引き締まっていた。今日子はもう少しダイエットしたいと山田に言ったが、このくらいが抱き心地が良いからと言ってくれた。山田のおかげで肌艶も良かった。
綺麗に変貌したお局様は相変わらず噂の的だった。