「全然太ってないですよ」


玄関で靴を履き終えると、手を差し出してきた先生。


「手。繋ぎましょう」
「でも……」
「ん?」
「生徒に見られでもしたら……」
「構いません」


でも、先生は教師になりたかったんだよね。


そりゃ、いつかは家を継がなきゃいけないのかもだけど……


「これからは、外では手を繋ぐの禁止です!!」


先生が悲しそうな表情でこちらを見る。


「そんな顔しても駄目です!」